パブリックスピーカーの告白

効果的な講演、プレゼンテーション、講義への心構えと話し方

プレゼンテーションがうまくなりたいのなら、プレゼンテーションzenデザインを読んで、プレゼンテーションzenを読めば、たぶんすべて事足りると思う。本書にもプレゼンにあたってのTipsは含まれているが、大半はプレゼンの周辺やバックグラウンドに関しての話に重きが置かれているので、少なくともプレゼンがうまくなりたいと思う人が最初に取るべき本ではないと思う。

また、外国の方特有の分かりにくい喩え話や言い回しがほんと多くて理解しづらいし、体系的に書かれているわけではなく、トッピクスに合わせて何本かのエッセイがまとまっている感じなので必要なとこだけ読めばいいと思う。

と、なんか批判ばかりであれだけど個人的には結構満足している。というのも、ありがたいことに最近は講演する機会が多くなっていろいろ話しているわけですが、聴講者の方は満足してもらったのだろうかってことがいつも気になっていて、不安だったりする。というかそもそもこの講演というスタイル自体、教えるという意味で適しているのかとか。

そこらへんのモヤモヤは著者もパブリックスピーカー(講演家)と名乗るだけあってひと通り体験し持論を展開していて興味深い。例えば、アンケートの話。アンケートは普通5段階評価なわけだけど、たいていは皆、講演者の実際の評価に問わず5を付けたりする。それは聴講者が礼儀正しく振る舞おうとする結果らしい。確かに、せっかく時間をかけて用意してくれて一生懸命話してくれていたのなら、内容が乏しくても1なんて評価はつけたりしない。かと思えば、僕は滅多なことでは5は付けない人だったり、いつも1や2を付ける人が3と評価した場合、それは彼にとっては高い評価だったのかもしれない。と点数評価は必ずしも実際の評価を表していない。そこで著者は自由記入を増やすか質問形式にするなどの対応策も考えている。

とまぁそんなかんじで、講演周りのこと知りたい方は読んでみるとよいかもしれません。で、著者の方は読んだ後に知ったのだけど、アート・オブ・プロジェクトマネジメントの著者でもある人なんですね。