プレゼンテーションzen

スライドプレゼンテーションの改善法に関する本

この本を読んでプレゼンがうまくなるかどうかは分からないが、少なくとも今よりは分かりやすいプレゼンになるのではないか。

スライドにびっしり書き込まれたテキストをただ読み上げるプレゼンター。そういった「PowerPointの死」に聴衆は慣れすぎているのではないだろうか、スライドはもっとシンプルにプレゼンターはもっと感情豊かにと著者のガー・レイノルズ氏は言う。

本書は小手先のプレゼンテクニックを紹介しているものでもないし、スライド構成を指南するものでもない。むしろ、プレゼンテーションの本来の意義についてだとか、コミュニケーションについての考え方を「禅」や「わび・さび」などの日本文化を通して説明している。

全体を通して、これでもかと言うほどシンプルにしろと主張している点は個人的に嫌いじゃないし、プレゼンの本というかデザインの本と言ったほうが適切ではないかと思うくらいだ。

削ることで何が重要で、何が不必要なのか、再認識できるし、より伝えなければならないメッセージを明確に意識できる。コミュニケーションデザインと言ってもいいだろう。ただの作業報告ならレポート1枚提出すれば済む話だからね。

最後にプレゼンに臨む前に自分自身に問いてみるといい質問を引用しておく。 結局、何のためにプレゼンするのかっていう大事なこと思い出させてくれる良書だ。

• 持ち時間はどれくらいか?
• 会場はどんなところか?
• 時間帯はいつか?
• 聴衆はどんな人々か?
• 彼らはどういったバックグラウンドを持っているのか?
• 聴衆は私(我々)に何を期待しているのか?
• なぜ私にプレゼンテーションの依頼が来たのか?
• 自分は聴衆にどうして欲しいのか?
• 今回の状況や聴衆から考えて、どのような視覚メディアを使うのが最適か?
• 今回のプレゼンテーションの根本的な問題は何か?
• このプレゼンテーションは何を言わんとしているのか?

今回のプレゼンテーションの究極的なメッセージは何か?
何が言いたいのか?
なぜそれが重要なのか?