スタートアップ大国イスラエルの秘密

シリコンバレーに行くより、イスラエルへ行け!

Twitter上で読んでいる人がいて、気になったので購入してみた。

スタートアップの聖地といえば、シリコンバレーなのは言うまではない。2015年のVC投資額も米国は約700億ドルで、ダントツだ。本書に登場するイスラエルという国は、投資額から言えば、約44億ドルと米国のそれと比べれば見劣りするかもしれないが、国民一人あたりの投資額を見れば、米国の2.4倍と、そのサイズに対していかに投資が集中してるのか分かるだろう。そのほかにも世界に名だたるグローバル企業がこぞって、イスラエルにR&Dの拠点を作っているという。

面積で言えば、日本の四国ぐらいの国土しか持たないイスラエルに天然資源と呼べるものもほとんどなく、四方は中東戦争などにより常に緊張状態で貿易で富を増やすこともできず、残された選択肢はハイテク立国というシナリオだった。

  • 実践的な教育(10歳もしくはそれ以下の歳からプログラミング教育)
  • 高校卒業後、2~3年の兵役によるチームワークの重要さ(兵役の任務もソフトウェア開発に携わるとか)
  • 徴兵後は各部隊の卒業ネットワークなどを利用して民間に高度な技術者が流れる

ハイテク立国の看板などは、どこの国でも掲げていることだろうが、イスラエルは教育や兵役のフェーズで本気でそれを考えているのが強みだろう。

結果、イスラエルのスタートアップはセキュリティの軍事技術を応用したものだったり、toCではなくとtoBに使われるような非常に専門的で高度な技術力を要するスタートアップが多いように見受けた。私たちの生活をまったく変えるようなイノベーションはイスラエルから生まれてくるのかもしれない。

年収は「住むところ」で決まるの本では、アメリカはイノベーションを続けるために、高学歴な移民を受け入れ、彼らに高い給料を払うことで実現しているが、イスラエルはそれを自国民でまかなっているのがすごいところだ。

DLDというスタートアップの祭典みたいなのが毎年テルアビブでやっているらしいので、一度はその熱に直に触れてみたいと思うのだった。