情報社会学会 08年度年次研究発表大会に行ってきたよ

一体お前はいつの話をしているのかという声が聞こえてきそうですが、行ったので記録を。アックゼロヨンシンポジウムの次の日に行ったのだよ。

情報社会学会 2008年度年次研究発表大会 2008年6月14日 大会テーマ:情報社会と社会への応用 SFC

会場はSFCだったよ。SFCってサイバーチックな印象(アルファベット3文字だから)があったけど、大学自体はのどかな場所にあったよ。 さすが学会ということで、僕みたいなヘナチョコWebデザイナーがいるべきところではないなと感じました(笑)みんな、言ってること難しいよ。俺、わかんないよ(´Д`)そんなもんで、お目当てはこれでした。

メディア環境の激変と広告コミュニケーション~情報過多社会の消費者行動 岸 勇希 (電通インタラクティブ・コミュニケーション局クリエーティブ 室コミュニケーション・デザイナー)

AIDMAからAISASへ

メディアの変化 消費者の行動の変化 広告コミュニケーションの変化 消費できない情報量 メディアの多様化 情報過多 SEM → Web → (TV,新聞,雑誌,ラジオ) 課題解決のため複数のメディアが必要 → 結果的にクロスメディアになる

手がけた案件

フマキラーAダブルジェット“一発命虫”キャンペーン

小田急線の駅のトイレの小便器に的シールを貼ったりした(口コミ狙い) フラッシュゲームなども作った。

結果 サイトには6万以上の書き込み フマキラーの株価上昇 このキャンペーンを見て6人が入社を希望してきた。 10万PV

漢検DSプレゼンツ 都道府県対抗漢字バトル

事前に日本人の漢字能力をテストし85%の人が漢字能力が低下してることを発表 新聞に取り上げられる。 漢検DS発売 爆発的ヒット60万本 サイトでは漢字テストができ、県別にランキング表示される。 県人会魂に火がつき、60万PV達成

ミス冷え知らずCOLLECTION’08

永谷園 × タダコピ

永谷園のこのスープは体の芯から暖めてくれるということで、冷え性が多い女性をターゲット東京の大学のミスキャンパスをキャンペーンモデルとして採用それを大学生が起業したタダコピ(タダでコピーできる代わりに広告がつく)てゆうメディアでも露出。各大学のコピーにその大学のミスキャンパスが出る(口コミになる) 結果200%の売り上げ増、サイトは40万PV

質問してみた

Q. フマキラーのキャンペーンは面白いのですが、悪く言えばふざけてますよね。 そうゆうキャンペーンでいきます、と言ったときに頭の固いであろう意思決定者がなぜGOサインを出してくれるのか? それは『天下の電通さん』だからですか?それとも徹底的にデータなり出すのですか?

A. 『電通だから』なんでもOK出してくれるということはなく、フマキラーのキャンペーンでも 60枚くらい企画書を書いたし、もしキャンペーンを始めてイレギュラーなことがおきたら、 電通は6時間でこれこれの対応をします、12時間でこれこれの対応しますといった保険もちゃんと用意して、 クライアントの不安を取り除いている。また今回のフマキラーの成功で、次に似たような案件がきた時も 良い前例としてプレゼンできる。

Q. 話題になったけど、売れなかった事例とかありますか?

A. 自分はない。興味を惹かせるだけが広告ではなく、それを購入させるところまでが広告。 例えば、レジ横のPOPに飾ってもらうために、わざと新聞広告のなんかをごにょごにょしてる (ここらへん忘れました。) とりあえず、抜かりはないということ。

これ疑問でしたね。よくCMを見てて、まったく意味の分からんもの(別に否定しているわけでなくて)があって、若い自分でさえ、??なものをよくその企業のトップなりに納得させたなと。絶対に電通がいいって言ってるんだからいいんだよってな感じでやってるんだと、半分ひがみ根性でそう思ってた。だって、自分が『絶対これは今より良くなるでしょ』っていう提案でさえも社内では見送りにされる中、そう思わないとやってられなかった。。。

でも、実際、電通自身はインタラクティブコミュニケーション局というものを新設したり、変化に対応しようとしているし、漢検DSのときの漢字能力調査なり根拠となる情報などのリサーチを定期的にして、データを集めている。天下の電通ってもの、これまでの実績があったからこその天下の電通であって、最初からそういうものが存在したでわけではない。何事も積み重ねだなと。

そりゃそうだよね、自分が40~50歳になって、会社の意思決定に携わるようなポジションになったとき、入社1~2年目の若造の言ったことをほいほいそうですかと、受け入れるはずがない。実績が無いもん。実績が無くても、その提案自体が『これいいでしょ』ぐらいの軽い提案だったら、乗っかれるはずがない。企画書は枚数ではないけれども、そりゃ多いほうが自分のために(会社のために)そんだけ思って書いてくれたのかと思うよね。要は信頼関係の構築段階かな。信頼貯金っていうのも七つの習慣で言ってたなと思い出したり。

昨日のアックゼロヨンシンポジウムと合わせ、この2日間コミュニケーション・デザインってなんだろうと考えて、企業と消費者・ユーザーとのコミュニケーションを考える前に、企業と企業、上司と部下、同じチーム内でのコミュニケーションでさえもしっかりできてないのではないかと気づいた。

昨日のセミナーでも福井さんは、その企業の良さを伝えるのにウェブだけやってても、足りないんじゃないかと。良さをアピールするにあたって、あくまでウェブは数ある中の手段の1つではないかと気づいたからbAをやめ、sinzographica を立ち上げ、SIGMA DP1では雑誌広告や、イベントブースのディレクションなどもやったりしてる。やっぱり、それも相手の会社のことを徹底的に考え抜いてそうするしかないと思ったからですよね。

話は飛ぶけど、昔行った川崎和男さんの講演でも『デザインは思いやりだ』って言ってたけな。大学時代、『ひとつ上のプレゼン』という本でも、そこに書いてあったのは、クライアントに提案するアイデアの本数を増やす暇があったら自分がこれだと思った1つを徹底的に練り上げろとか、なんか当たり前のことを言っていて、俺の欲しいのはテクニックなんだよとその時は思ってたけど、本質はそこにあったんだなと今は思う。

この2日間で一連の出来事がつながったって感じです。相手をどんだけ思いやれるか。頭ではわかるけど、簡単なようで日々の実践は難しい。