UXデザインの法則

最高のプロダクトとサービスを支える心理学

心理学と聞くと、ちょっと仰々しい感じがするが、中身は一度は聞いたことがある法則だたったり、デザイナーなら無意識でやってるようなテクニックであったり、そんなに小難しくない。中には知らない法則もあったりして、自分が作成したデザインを説明するときに、これらの引用を添えて説明すると説得力も増すだろう。

  • ヤコブの法則:慣れ的なアレ
  • フィッツの法則:ターゲットの大きさと近さのアレ
  • ヒックの法則:選択肢の多さについてのアレ
  • ミラーの法則:マジックナンバーのアレ
  • ポステルの法則:寛容な入力に対応しよう
  • ピークエンドの法則:ピークとエンドが大事
  • 美的ユーザビリティ効果:ふつくしい is よい
  • フォン・レストルフ効果:リズムを変える的なアレ
  • テスラーの法則:a.k.a. 複雑性保存の法則
  • ドハティのしきい値:応答が0.4秒以内にしろ!

中でも良かったのは第11章の『力には責任が伴う』だ。上記のような法則をうまく使えば、自身のサービスを使いやすいものとすることができる反面、中毒性のあるものにしてしまうかもしれない。FacebookのようなSNSサービスで承認欲求を満たしたいなど。

デザイナーはなにも悪いものを作ろうとしているわけではないが、結果としてそうなってしまう可能性があるということに意識を向けないといけない。スタートアップでは、早く作って、早く出すというようなマインドがあるが、本書ではその歩みを緩め、倫理観を持ってプロダクトを作ろうと提言しているのが、個人的に印象深かった。

デジタルサービスはますます私たちの生活に深く入り込んできているので、それをデザインし、ユーザーの行動に良くも悪くも影響を与える私たちの役割は大きくもあり責任重大だ。