Webサイト設計のためのペルソナ手法の教科書

ペルソナ活用によるユーザ中心ウェブサイト実践構築

前々からペルソナに興味があったので読了。読む前はペルソナってなんか胡散臭いイメージがあったけど、考えてみればペルソナを考えることって当たり前のことだよね。

このデザインはユーザーは好きだろうとか、このシステムはユーザーが必要としてるに違いないとかなにかしら多かれ少なかれ考えながら、みんなモノを作ってると思うんだ。ただ、その制作者の考えたユーザーは、他者と共有されていないから、デザイナーはこう、プログラマはこう、ディレクターはこう思う、ってことになって意見は平行線のままなんてことがしばしばある。最悪、重役さんや社長さんのひどく狭い見解で決まっちゃうなんてことになりかねない。

そこで、ペルソナってゆうユーザーモデルを作り共有することで、意思決定の精度を高めようってのがペルソナを作る意義。胡散臭いなーって思っちゃうのはペルソナ作成のフローや調査なんてものを知らなかったからだね。

  • ユーザビリティテスト
  • アイトラッキング
  • トラフィック/ログ分析
  • 比較テスト
  • サーベイ
  • カスタマーサポートデータ分析
  • グループインタビュー
  • ダイアリー調査
  • ユーザーインタビュー
  • カードソーティング
  • フィールドスタディー

以上のように、調査の種類でもざっと挙げただけでもこれだけある。(まぁ、予算やスケジュールの都合等で全部やる必要も無いが)この集まったデータをセグメントしていかなければならないけど、ここでは統計的な学問も必要とされ、そのように膨大なデータに基づいたモデルに息を吹き込んだのがペルソナであり、十分信用に値するものだと思う。少なくとも、各制作者が日頃の体験からイメージする顧客像なんかよりは外れがないと思う。

Forrester ResearchのHarley Manningは「ユーザーの膨大なデータを見るための”ユーザーフレンドリーなインターフェイス”」とペルソナを称する。

と述べられているように、ペルソナ作成のフローや調査を知らない人はこの『ユーザーフレンドリーな』部分だけに目に付き、胡散臭いと思ってしまうのではないだろうか。いや~僕ペルソナ( ・∀・)ノって突然言われても信じられない。

この点は社内の理解をちゃんと得ていなければ、ペルソナは作ったけども機能しないってことになりかねないから、説明はちゃんとしてね、と本書で何度も述べられている点である。いかに皆をペルソナなってゆう偶像を信じ込ませるかってことが重要。じゃないと、『どうせ、マーケティング部がなんかわからもん作ってきたんだろ( ´Α`)』や『デザイナーが最近Pなんとか言ってうるさいよ( ´∀`)』ってなことになりかねない。戦略的な意思決定にペルソナを用いるのならなおさらだ。

そんなわけで本書を読み終えての感想。一体誰がペルソナを作るんだ?と思った。デザイナーとか職種の問題ではなく、誰が調査するための予算を取ったり、システム的なログ解析をしたり、統計学的にデータをまとめたり、各部署とはいえ、丁寧にペルソナ作成から活用までのフローが説明されている本書を読めば、なんとか形になるのではないかと淡い期待も抱いたのも事実。

うーん、やっぱお客さんの顔も見ずに商売するのっておかしいと思うよ。ペルソナ作らなー(´・ω・`)の人に説明しまわったりするんだと。まぁ当然一人でできないけど、新規に部署、プロジェクト立ち上げるにしても骨の折れる仕事だなと。