近代から現代までのデザイン史入門

高校生の頃から歴史が好きで日本史を選択していたが、デザインの歴史も好きだ。ということで、大学生のとき以来にデザイン史の本を手にとってみた。

まず近代というのはどこからということだが、本書では1750年となっている。産業革命がはじまったころであり、生活が工業化してきた時代だ。工場で画一的な製品が大量に生産できるようになった反面、職人が手作業で丁寧に作ったモノが再評価されるようになった。

それからのアーツ・アンド・クラフツ運動であり、アール・ヌーヴォーである。おもしろいことに、無機質なデザインが世の中に溢れれば、有機的なデザインが反動でくる。また無機質なデザインと、歴史は繰り返しているように思う。アプリケーションデザインで、スキューモーフィズムからフラットデザインに変わっていったように。

デザインといっても、建築、ファッション、グラフィック、インダストリアルデザインなど多岐にわたるので、本書で登場する事例や人物の作品も申しわけ程度に紹介されるだけだが(しかもモノクロ写真)、今の時代、気になったデザイナー名をあとで調べてwikipediaでも見ておこう。

すっかり忘れていたデザイナーなどもいたので、ざっと近代デザイン史をおさらいする意味でも本書は有益だった。