フィンテック (日経文庫)

FinTechやっていきたいと思っても、今までは仮想通貨一辺倒だったので、ちょっと全体を俯瞰するために、知人の間でも評判がよかった本書を購入。

クラウド会計としてfreeeやマネーフォワードは知ってはいるが、海外のFinTechサービスはほとんど知らないというか、そもそも法律的に日本でサービス展開できなかったりするからしょうがなかったりするんだけど、本書はそうゆうサービスをいろいろ紹介してくれていてありがたい。知らないサービスも多かった。

FinTechの正式な定義というのはないが、金融庁の金融審議会のレポートによれば、こう報告されている。

ITを活用した革新的な金融サービス事業を指す。特に近年は海外を中心にITベンチャー企業が、IT技術を活かして伝統的な銀行等が提供していない金融サービスを提供する動きが活発している。

とあるように、IT企業が銀行の一部のサービスを切り出し(アンバンドリング)、使いやすいアプリを提供しているモノが多い。

個人的な感覚としては、これらのサービスを使っているのは比較的若い世代のように感じる。年代別の保有金融資産シェアの8割以上が50歳以上ということで、もっとこの分野は伸びしろがあると思った。てか伸びしろしかない。

あと興味深かったのはイノベーションのジレンマにも言及していたところだ。FinTechを手がけているのは若い企業であり、巨大(優良)企業が新興企業になぜ負けるのかは、昨今の中国のキャッシュレス化の急進にも通じるところがある。

いろいろ思索に耽させてくれる良い本だった。