「紫の牛」を売れ!

「ありえない」と言わせたら勝ち。

マーケティングに関する用語は以下のようなPで始まるものが多く、

  • 製品 - Product
  • 価格設定 - Pricing
  • プロモーション - Promotion
  • 位置づけ - Positioning
  • 宣伝 - Publicity
  • パッケージ - Packaging
  • 広告 - Pass-along
  • 許可・承認 - Permission

著者は新たなPとして「紫の牛(Puple Cow)」を提唱している。紫の牛:つまりありえないことを指している。「常識破りな(remarkable)」という言葉がPから始まっていればこのようなタイトルにはならなかったとも言っている。

個人的に印象に残ったのは、シンドラーのエレベーターを例に挙げ、ユーザーの行動に合わせるのではなく、製品がはるかに優れた動きをするようにユーザーに行動を変えてもらうようにしようという考え。ユーザー調査しその要望を忠実に答えていけば各社行き着くところは同じようなモノになるのではないか、失敗を恐れ無難な対応しかしなければそれなりモノでしかない。これは多少ユーザーに不便をきたしても、それを超えるようなメリットを提示すればユーザーは受け入れるんだなと、デザイナーとして憶えておきたい事例だった。

まぁ、この手の本を読んだからといって明日から「紫の牛」が作れるかと言えばそうではない。その点は著者もはっきり言っている点が逆に清々しい。

それでは、つねに「紫の牛」を生み出す絶対確実な方法があるのだろうか?しっかりと現実に根を下ろしながらも、創造性を高めることができる秘訣、儀式、魔術があるのだろうか? もちろん、ない。妙案はない。「紫の牛」をつくり出した会社もほとんどが、やがては不景気に見舞われているのを見ると、必ず実を結ぶものを列挙しているルール・ブックなどないことが分かる。

ただ、「紫の牛」に近づけるための秘訣として以下のような40個のチェックリストを紹介している。こちらも参考にしたい。