ALLIANCE アライアンス

人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用

ピーター・ティールやイーロン・マスクで有名なペイパル・マフィアの一員で、リンクトイン創業者のリード・ホフマン氏の著。

タイトルのALLIANCEとはフラットで互恵的な信頼に基づく『パートナシップ』の関係という意味。直訳では同盟という意味。終身雇用が終わった現代ににおいて、社員は家族でない。だからといってフリーランスのようにあまりにビジネスライクすぎて、個人の利益しか考えないような関係でもない新たな関係を提案している。

結局、会社が一生社員の面倒を見るから会社のために尽くしてほしいと言っても、とうてい信用のできるものでもないし、むしろ長期的思考ができない馬鹿な企業と見限られる可能性が高い。

会社の目標と個人の目標が未来永劫、完全に合致しているとしたら、それはすごくハッピーな事かもしれないが、たいていの場合はそうではない。そこである程度のコミットメント期間を定めて、その期間だけ一緒の方向を向くように互いが譲歩の可能性を探る。

本書全体を通して言ってることは理にかなっているというか、現実的な落とし所・関係の模索としてはいいところをいってるのではないだろうか。特に米国のようなIT系の人材は引く手あまたで個人の力が強いところで、会社として成果を出すために長期にわたって人材をひきつけておく必要があったのだろう。

対して、日本はそこまで個人が強いわけでもなく、未だに会社がリードしている感がある。もうちょっと日本も成熟した関係になるべきだと感じた。