速攻改善 UIデザイン

銀の弾丸! オブジェクトベース設計

なにかのフレームワークやライブラリを説明するときに、メリットは紹介しつつも『xxxは決して銀の弾丸ではない〜』という表現をよく見かける。私もそうゆう文章をよく書いた気がする。知らんけど。そうゆうわけで、オブジェクトベースUI設計は銀の弾丸だ!と断言している本特集に惹かれて購入した。

オブジェクトベースUI設計とはタスクベースUI設計と対になるもので、『名詞』–> 『動詞』の順序で操作になる。つまり、名詞となるオブジェクトを選択してから、それに対して何らかのアクションが起こる。プログラミングを嗜むものなら、慣れ親しんだ考えだろう。

それに対して、タスクベースUIは『動詞』–> 『名詞』となる。本特集で例に出ているのが、どこかのピザ屋のアプリUI。ユーザーが一番最初にアクションを起こす画面には、『注文する』というボタンがデカデカと存在している。それから、いつ配達するか、氏名・電話番号を入力してから、やっと肝心の商品を選択する。

これは私も体験したことあるUIだったので、よくぞ言ってくれた感があった。まず選ばせろよ!と。食べたいピザもあるのか分からないまま、情報を入力させる不安感は強烈だ。オブジェクトベースでUIを作るという発想がそもそものGUIの成り立ちなので、違和感を覚えるのも当然だ。

では、なぜそんなタスクベースUIが生まれてしまうのか。筆者は設計者がユーザーの『やること』を忠実に抽出し、そのままUIとして落とし込もうとする結果と指摘している。確かに、ユーザーの求めているものを作ろうとするあまり、視野が狭くなってしまってるのかもしれない。 後半はメーラーや業務用アプリケーションを題材にオブジェクトベースUIでの設計を解説している。

”デザイン”の話だからと言って、センスが求められるようなきらびやかなグラフィックとか出てこないのでプログラマーさんも安心して読んで欲しい。逆に、デザイナーさんも当たり前(?)過ぎるコトがちゃんと言語化されているので確認のためにも読んで欲しい。この特集だけのためにも購入しても問題ないくらいだが、個人的に興味のある他の特集もあり、全体的にもよかった。