勉強会という装置

Community of practice

最近、勉強会というか実践コミュニティに興味がある。そして、その実践として前回、紹介した社内TechTalksがあったりする。実践コミュニティについてはコミュニティ・オブ・プラクティスって言う素晴らしい本があるのでそちらを参照してほしい。

なぜ勉強会をするのか?

説明するに当たって、時間管理のライフハックとかでよく出てくる重要度緊急度のマトリックスを使う。縦軸が重要度、上が重要、下が重要じゃない。横軸が緊急度、左が緊急性が高く右が緊急性が低いってことを表している。

普段、我々がしている仕事の多くは(そうじゃない人もいるかもしれないが..)意味のないMTGだったり、電話の応対だったりと、一見、緊急性が高くて重要そうに見えるのかもしれないが、それは3の錯覚の類に入るものかと考えている。そういったことに我々の貴重な時間は浪費され、ただただ時間が過ぎていっている。そんなの嫌に決っている。

だから、今やるべき事は3番ではなく2番の価値のある行動をしなければならない。ちなみに、1番の重要は言われなくてもやるから問題ない。例えば明日が大事な試験だったりする場合だ。一生懸命になるわけだ。4番は論外だ。

そこで勉強会だ!

オーディエンスとして

まず、聞く側の人間としてスピーカーの話題によって新たな価値への気づきが考えられる。また知ったテーマであっても、フェードアウトしたモチベーションの再点火が起こりえる。「へぇ〜こんなんおもしろい技術・考え方があったんだー。俺もやってみYO!」、「同僚がいつのまにか俺に出来ないことを平然とやってのけている!俺もがんばらねBA!」などなど。そうしたモチベーションを各自アウトプットしてくれれば良いのだが、それはまだ第2領域。またフェードアウトしていくかもしれない。

スピーカーとして

そこで今度は聞く側から話す側にまわったとする。話すテーマは2番の価値のあるテーマから選ぶと思うので、当然有意義なものだろう。ただ、ここでオーディエンスと違うのは締め切りがあることだ。当然、勉強会の日にちは決まっている。つまり、ほったらかしにしていたら第2領域から第1領域に移動しはじめる。

例えば、僕は社内のJS勉強会を運営しているが、3ヶ月に1回のライトニングトークを開催している。しかし、本音を言うと個人的にはしたくないんですけど(しんどいし)、でもやり終えると達成感があるし、こんなことも無ければここまでしなかったよな、という経験を何度もしている。

つまり、勉強会とは価値に気づきそれを重要に移行させる装置なんだと理解した。それがなんだか今の僕にとって一番しっくりくるもんだからココにメモ。

これを会社の業務でやることも可能だ。たとえばやりがいのあるプロジェクトに立候補してみるとか。それはそれでがむしゃらにやらなければならないのですが、失敗したときのリスクが大きい(最悪、左遷とかクビとか)。それにそんなに自分にとってやりがいのあるプロジェクトがぽんぽん出てくることもない。

そう考えてみると勉強会はほどよいリスク(下手なプレゼンしたら恥ずかしいとか) と、持続的な価値の創出が可能な良い装置だなと思った。