ノンデザイナーズ・デザインブック

Robin Williams

ちらほら良いという噂があったので気になって読んでみた。レイアウトとタイポグラフィの本だね。全編カラーで読みやすい。著者はデザインの原則として次の4つ紹介している。

  • 近接
  • 整列
  • 反復
  • コントラスト

うん、少なくて良いと思う。自分が大学生になってデザインを勉強し始めたときは、何とかレイアウト基礎講座とかゆう名前の本で勉強したと思う。ジャンプ率や版面率、余白率とかあったね。それに比べると、小難しくなく豊富な例をもとに解説してあるので、理解が早いのではないかと思う。

個人的に未だに不得意なのがコントラスト… デザインを始めた頃は余白が怖くて、なんとかページ全体を埋めようとして、もっさいデザインになってしまうことがあった。デザインをある程度分かってきたら今度は、余白をとって文字を小さくすればかっこいいんじゃねと思い、文字を全部小さくしてコントラストのないデザインにしてしまうのをよく先生に怒られた。「メリハリだよ!」なんて具合に。

デザインが難しいのは何を伝えるかによって最適なデザインが変化するということ。文字を小さくする例を取っても、一般的に文字を小さくして余白を大きく取れば高級感がでるので、ハイソなフランス料理店のメニュー表なんかに良いだろう。逆に、スーパーのチラシに適用すれば、今日の目玉商品が何なのかよく分からないし、重要な価格をもっと大きく見せて欲しいとも思うだろう。高級感を維持しつつもコントラストをうまくつけるためには、色で対比してみせたり、書体で差を出してみせたり、レイアウトとは異なるセオリーを組み合わせることによって可能にすることもできるだろう。でも難しいよね、そこらへんのデザイナーの意図が見えないデザイン、デザイナーの意図を聞いて初めて理解できるデザインとかも多い。

とはいえ、デザインが良く分からない人がまず最初に手に取る本として考えたら、最小限のセオリーがコンパクトにまとまっていて最適ではないかと思う。まさしく「ノンデザイナーズ・デザインブック」だ。