金融庁の基礎知識

森信親長官の金融庁は金融機関をどうしたいのか?

『金融庁の基礎知識』というタイトルと素っ気ない表紙のせいで、すごく小難しい本かと思ったが、内容はどちらかというと、きんたまの著者名が体を表しているようで、俗っぽい内容w

仮想通貨関連で最近、『金融庁』という単語を耳にするが、そもそも自分は金融庁ができた経緯など全然知らなかったので勉強になった。

要は、昔の金融業界は護送船団方式のもと、金融業者と旧大蔵省が接待・接待・ズブズブの関係で、銀行や証券も倒産するわで阿鼻叫喚だったので、大蔵省から監査の機能を取り出して金融庁ができた。

できた金融庁は、それまで反省をいかし金融業界と接触を避けバッサバッサ処分していく。これが金融処分庁といわれる所以だ。テレビドラマの半沢直樹で出てきた金融庁の人のイメージ。

ところが時代が移り、銀行に不良債権がなくなってくると金融庁の監視という仕事自体がなくなってくる。これでは存在意義がないので困った金融庁は、現在の森金融庁長官のもと金融育成庁のポジションへと変容していく。

個人的に興味深かったのは、金融庁はその成り立ち的に、THE・官僚組織ではなく、民間からの中途採用なども多く、どちらかというとスタートアップ組織な雰囲気と聞いて、親近感を持った。

また我らがビットコインについてどのように書かれていたかというと、金融庁的には無関心というか期待してない分野で、それよりも『テロ対策・脱税防止』ちゃんとしたいってスタンスだった。それは日本がどうこうっていうよりも世界的にそうゆう流れだからだ。そこがちゃんとすれば産業育成という流れになるだろうとのこと。

おもしろかったので、同じ著者の森信親長官の金融庁は金融機関をどうしたいのか?も読んだが、こちらは内容がちと薄かった。『森信親長官』で検索すれば事足りるだろう。

金融ってお硬い分野だけど平易な文章で書かれているのでオススメ。