ライト、ついてますか—問題発見の人間学

How to Figure Out What the Problem Really Is.

目次

  • 第1部 何が問題か?
  • 第2部 問題は何のか?
  • 第3部 問題は本当のところ何か?
  • 第4部 それは誰の問題か?
  • 第5部 それはどこからきたか?
  • 第6部 われわれはそれをほんとうに解きたいのか?

2009年に読んだ本の中でベストじゃないだろうか。

といっても本書自体は1987年出版の古い本で、訳もちょっと堅苦しい感じがするし、アメリカンジョークというか英語的な言い回しも理解に苦しむところが多いが、そんなこと差し引いても内容自体は素晴らしいものがある。

最近自分が悩んでいること、問題をうまく解決できない。それをうまく言語化してくれているといった感じだろうか。まぁだからといって、この本を読めば快刀乱麻を断つが如く問題解決出来るかと言えばそうではない。

しかし、解決する糸口は見えてきたのではないかという手応えはあった。つまり、問題を解決するためにはその問題が何のなのか、ちゃんと理解してこなかったのではないだろうか、僕の場合。

問題とは、望まれた事柄と認識された事柄の間の相違である ― P17

キミの問題理解をおじゃんにする原因を三つ考えられないうちは、キミはまだ問題を把握していない ― P56

もしある人物が問題に関係があって、しかもその問題を抱えていないなら、何かをやってそれをその人物の問題にしてしまおう ― P94

簡単なエピソードに基づいて何が問題なのか、誰の問題なのかなど問題定義の段階を比較的わかりやすく描いている。どれも金言ばかりでマーカーだらけになってしまいそうだけど、特に印象に残ったのが、以下の部分。

問題の出所はもっともしばしばわれられ自身の中にある ― P118

著者らの経験によれば、問題が実は問題解決者自身に起因する割合は53.27%にも及ぶ。 ― P119

53.27%の数字がどこから来たのか知らないけど、なにか問題を解決するときに『何でこんなこともわからないんだよ、バカじゃないのか!?』と他者に対して思うことがしばしばある。でも、実際バカなのは自分ではないのかと気づかせてくれた点は大きい。思い上がりもほどほどに冷静になって根本から見直すことも大切だ。