明治維新という過ち

日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト

今月のKindleオーナーライブラリの1冊で読んだ。

いやーぶっ飛んでいる、ってのが率直な感想。幕末の長州は全員クソ野郎で、会津は可哀想ってのがだいたいの主張。いや確かに、幕末から明治にかけては多くのことが変わったりして、そこに無条件に綺麗なドラマを求めすぎているってのはあると思う。しかし戦時下なので、残虐なところは双方にあることだろう。

だが作者から言わせれば、たいていの長州藩の人物は、狂人の若造のヤクザ以下のチンピラどもとこき下ろしている。もう、全員狂ってるとしか評していないので、逆に突き抜けていて本書の面白いところであると思う。

徳川幕府は案外よい体制でうまくワークしていたという考えで、もし倒幕が成功していなかったら〜、スイスや独立心の強い北欧諸国みたいに日本になっていただろうって話は、素直に興味深かったので、その辺をもう少し掘り下げてほしかったなと個人的には思う。

読了後、著者略歴を見たが、この人は別に歴史学者でもなければ歴史小説を何本も書いているような作家ではないんだよなってことで、残念感があると同時に話半分にって感じだ。