走って、悩んで、見つけたこと。

ご存知、現マラソン日本記録保持者の大迫氏の著書である。自分もマラソンを走るようになったからというのもあるが、最近の男子マラソン界はおもしろいものがある。特に今年9月に行われるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)には、氏も出場し、東京オリンピックの切符に挑む。

去年のシカゴマラソンに日本記録を更新し、破竹の勢いで臨んだ今年の東京マラソンだが、寒さのため、まさかの棄権となる。周囲の期待も大きかったため、メディアは大きく騒いだが、本人のほうは、あっけらかんとし、言い訳せず次に挑戦する姿勢をすぐに示した。

大迫選手は、サッカーの本田圭佑選手のように負けず嫌いで有言実行なタイプだと思っていたが、本書を読んでみると、あまりにも周囲の反響が大きく、本当に棄権してよかったのだろうかと悩んだ時期もあったそうだ。

本書は、そういった氏の内面の部分や考え方などが書かれているが、具体的な、大迫氏が実践しているトレーニング内容などの情報は載っていない。だが、そのマラソン哲学は、マラソン以外にも、何かを成功するために必要なことが書かれていると思う。

強くなるというのはすごく単純なことで、毎回ハードなトレーニングをして、ハードな毎日を過ごす。それを毎週繰り返していくだけです。

日本記録持っていると、さすがに言葉の重みが違う。はい。がんばります。本書は全体通して、継続の重要性、泥臭く走り続けるといったことが書かれているので、当たり前だけど、マラソンに近道はないと理解した一冊だった。