デザインってなに?

What is design?

ぼくもデザイナーの端くれなので思うことを。昔、原研哉さんが『デザインのデザイン』のトークショーかなにかで言ってたこと。

ある日本の自動車メーカーが高級車を作ろうとした時、綿密にマーケティング調査をしてユーザーの意見を大いに反映したモデルを作ったそうです。しかし、結果は全然売れなかった。なぜなら日本人は高級車乗りなれていない。または車という文化自体もしっかり染み込んでいないためか、出来上がったモデルの車はかっこよくないというか『高級感』がなかったためだそうです。高級感にしても日本のユーザーはベンツやBMWをイメージしてアンケートに答えるため、結局、ベンツやBMWのなりそこないみたいな物しか作れない。

といった内容だったですかね。うろ覚えですが。

これはWebにも同じことが言えるのじゃないかなと思います。インターネットができてまだ10年、20年です。それなのに最適なUIをどのユーザーが理解しているのでしょうか?もちろんデザイナーも理解はしていないですが。ただ、そのような母集団で集めたデータを分析して最大公約数を取ったとしてもたかが知れているということです。

また、昔話ですが大学のときのプロダクトデザインの授業の中でカメラを取り扱ったことがあります。先生がその中で1つの名作(と言われる)カメラを取り出して、言ってたこと。

このシャッターボタンすごく押しにくいんだ。でもそこがかっこいい。

なんかこんな感じだったと思います。うろ覚えですが。

とりあえず、この時理解したのが、必ずしも良いデザイン=使いやすいデザインってことでもないってことです。考えてもみれば、iPodの裏面はピカピカでカッコいいですよね?でも指紋がベタベタつきます。使い勝手を考えれば、もしくはプロトタイプでユーザー調査すれば皆が指紋をつかないようにしてほしいって答えるでしょう。でもそれじゃピカピカじゃなくなるんですよ、カッコよくないんですよ。いや個人的にはマット仕上げでもカッコいいと思うのですが、それではスティーブが許さないんですね、わざわざあの鏡面仕上げをするために新潟県の職人に頼んでいる逸話があるくらいですからよほどのコダワリがあったと思います。

今回のGoogleの例では41種類からの青を選んだり、1px単位での幅の調整などしたようですが、本当にそのようなことでコンバージョンは変わるのですかね。『この青チョーイカス!よし登録!』なんてことはないでしょうに。実際に人が意識しないレベルでの何らかの影響があるのかもしれませんが。。。もしこのデザイナーに裁量権があり、自分の理念を貫いたデザインをサイト全体に施せたら、、そう考えるとそれによって得られる利益に比べたら1pxの幅なんて些末なことだ思います。

ユーザーを知る行為自体は何も悪くないと思うので、問題はデータを取るレベルじゃないかなと思います。もっとデザイナーさんを尊重してあげないと。とりあえず僕が言える事はDouglas Bowman氏乙です!

とはいえ、個人的にはデザインの言語化・数値化ってのはこれからのデザイナーにとって必要な能力だ思っているので、アクセス解析がんばります><