”今の”フロントエンド開発を知るためのメルマガ:Frontend Weekly

Frontend Weekly is a weekly e-mail.

斉藤 祐也という男がいる。彼を最初に認識したのは、彼の記事であるウェブデザイナのためのRubyを読んだ時だ。当時の僕はHTML/CSSだけでなく、なにかプログラミング言語を学びたくてRubyについて調べていた。そんな時にたまたま検索に引っかかったのである(ちなみに4年経った今でもRubyは書けるようになってない)。

記事を読むと、なかなかいいことを書いてある。その他の記事もいいことを書いてある。プロフィールを確認してみると『2〜3年は遅れているという日本のウェブをアップデートしたい』と書いていた。なかなか大したことゆう奴だと思った。

それよりもハンドルネームが@cssradarで、CSSほげほげなんて名前のアカウント使ってるのは@cssnite@csswizardryくらいしか知らない。この男に興味が湧いてきた。

それから月日が経ち、日々の忙しさに追われていた僕は@cssradarという名前を忘れかけていた。当時の僕は、ほぼ毎週石川から東京に出張しており、隙間を見つけては東京にいる有名なWeb界隈の人に会いに行ったり、勉強会に参加していた。そんなとき@hilokiから@cssradarと飲むけど来る?との誘いを受けた。彼も大阪から東京に上京してフリーランスとして活躍していた時期だ。

@cssradarの方は某大手メディアサイトから某緑の会社に転職していた。彼とはそれまで会ったことがなかったが某緑の会社のチャラいイメージと彼の実直な文章とはどうもイメージが重なりあってないように思え、なぜその会社に転職したのか素直に疑問だった。

同時に、当時の僕はアクセス解析業務に追われコーディング業務から遠ざかっていたが、勤務していた某ECサイトのコーディング的な汚さに辟易していた。いっそのこと某メディアサイトで何千ページも管理していた彼の力を利用できないか考えていた。あわよくばヘッドハンティングできないかと。

CSSers

渋谷の居酒屋で@hiloki、@cssradar、@t32k、勤めてる会社が違う3人のデベロッパーが集まった。彼の第一印象はよく喋る男だと思った。それよりも米国の大学を出て、ジャーナリズムを専攻して今はWebデベロッパーとして働いてる彼のキャリアが興味深かった。どうりで、英語圏の情報もキャッチアップして、いつもいい記事を書いていたのかと納得したものだ。

彼からドラスティックにスマホシフトしている緑の会社の近況やデベロッパーを募集していると聞き、ミイラ取りがミイラになる形で僕も緑の会社に転職した。結局、会社の環境や給料の高さではなく、この人と一緒になら僕は成長できると思ったから転職したのだ。3年前の話である。

それから数カ月後、彼と同じ職場になった。プロジェクトとは違ったが、グループチャットで先に緑の会社に転職していた@hilokiと3人であれやこれやWebについて語り合っていた。

語り合っていたというよりかは、@cssradarという自然言語検索APIの優秀さに舌を巻いたというのが実態だ。例えば、『ほげほげフレームワーク使いたいんだけどイケてないし、もっと違うナウいイケてるフレームワークないっすかねー』とチャット上でつぶやくと、@cssradarが関連した英語のリソースを無言で投げてくれた。

今思えば、この時に徹底的に一次リソースである英語の記事を読まされたので(読むしかなかったので)、リーディングに関しての英語アレルギーを克服出来たように思える。難しかったけど、なにもかも新しい情報でとても楽しかった。何よりも昨日できなかったことが今日できるような急激な成長速度を感じられた。

僕のように皆が彼にあいまい検索クエリを投げることはできないが、メールとして今話題のリソースをゲットすることができるようになる。彼主導で始まったFrontend Weeklyのことだ。

Frontend Weekly

以前に、CSS Radar Newsletterという同じニュースレターを52週に渡って運営してきた実績もある。HTML5 Expert.jpでも海外WEBテク最新動向での連載を見てもらえば、こういったものが毎週メールとして届くのが実感できるかと思う。Frontend Weeklyは彼の集大成となるだろう。

海外ではJavaScript WeeklyHTML5 Weeklyなどのニュースレターが有名だ。そもそもインターネットのおかげで世界中の情報にアクセスできるようになったが、基本的に皆、英語のリソースは読もうとしない。苦労して読むには玉石混交すぎるからだ。僕もそうだった。

僕の場合は、@cssradarという船頭がいたからこそ、フロントエンドという移り変わりの早い環境で必要な知識を手に入れ、生き抜いて来れたんだと思う。なにごとも事を始めるには良き船頭が必要であり、Frontend Weeklyはその役割を担ってくれるだろう。

ニュースレターはフローでもストックでも読める。 まず定期購読して流し読むフロー路線。熱心ではないけど眺めてはおきたい、そんな距離にある要素技術のニュースレターを購読する。 (・・・中略・・・) 定期購読だけでなく、バックナンバーををまとめ読む楽しみもある。たとえば Go をさわろうと決めたとする。一通りの入門をこなすと同時にニュースレターのバックナンバーを眺める。 何に使われているのか、何が流行っているのか、何に困り、どう解決しようとしているのか。技術をとりまく空気がわかる。 ― Newsletters - steps to phantasien

とあるように、やっぱりストックできるのはメールの利点である。さらにGmailでGoogleの検索精度の恩恵を受ければ、とりあえず購読しておき、あとでlabel:frontend hogehogeと検索すれば、簡易版@cssradarAPIの出来上がりだ。

なお、今回のプロジェクトでは、@hiloki、私@t32kも一緒にキュレーターとして運営に参加する予定だ。初めて会ってから3年、それぞれ会社は違うようになったけど(俺無職だけど)、また彼らと一緒に仕事できるのは楽しみに思う。今じゃ僕もまた、日本のウェブをアップデートしたいと思っている。


Frontend Weekly

Frontend Weeklyは、毎週フロントエンド開発に関連する記事、チュートリアル、動画/スライドなどを、斉藤 祐也、谷 拓樹、そして石本 光司の3名で世界中からキュレーションしてメールでお届けします。



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プロトタイプ版の発行は1月14日(水)予定です。